220406_読んだ本
0406
三浦しをん氏のエッセイ/書評集『本屋さんで待ちあわせ』(大和書房, 2012)を図書館で借りてきた。〈以下リンクは文庫〉
https://www.daiwashobo.co.jp/book/b427777.html
三浦氏のことは中学のころから大好きで、発売されたばかりの『まほろ駅多田便利軒』を読みながら定期券を買うための列に並んだのを覚えている。
新刊ですべてそろえてはいるが、いかんせん本棚が少ないので読後は段ボールに入ったまま押入れの中。書棚に並んでいたものに目がとまり、読み返してみようと思い借りてきた。確実に発掘するより早い。
ほんとにわたし読んだのか~~??ってくらい、すべて新鮮に楽しく読むことができた。
特に響いたのは、
・『東海道四谷怪談』についての第五夜(【愛だけでいいなら楽】)の叫び!とそのあとの一文。
・井上荒野『潤一』についてのなかでの表明。続く文。「なにかを捨てればなにかを得られるほど、物事は簡単にできてはいない。」
・さいごのひとつ【求めるものに応えてくれる】。読書という手段について。
です。特にさいごの【求めるものに~】はぜひみんな読んでくれ…ってなった。読書の持つ力。わたしも助けられてきたし、いつかどこかでだれかの力にもなるって思ってる。
しをん氏は「さびしい」という言葉を使う。
「さみしい」ではなく、という書き方の話といっしょにどこかで語っていたこともある。
さびしい、けどつながりたい、つながることは難しいけどそれをあきらめたくない、ということを小説内で書いていた記憶もある。
彼女はその「さびしさ」と、つながれたことのうれしさ、よろこび、を描きたいのかな、と思った。片方だけをメインに据えた話もあれば、どちらも盛り込まれている話もあるだろう。爆笑必須のエッセイ(電車内で読むのはおススメしない)にも入っているかもしれない。
笑いを誘うノリの良い語り口とともに、その気持ちはこちらへ届く。届くといいな、と思っている。